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 頭が痛い。
 嫁とか新婚とか物騒な単語を聞いた気がするが、元々銀時の頭はわいてるからなと高杉は思う。何しろ悠久の昔から結婚しよーぜとか死んだ目でいう男だからな。そういうわけでなんだかよくわからないなりにこれから暫くは銀時の世話になるわけか、と非情におおざっぱに理解して深く考えないようにした。
 それから銀時を引き離し、手洗いに行き、顔を洗った。 それだけで、疲れる。戦線にいた時も騙し騙し取り繕っていたが、鏡の中の自分は陰気な幽霊のようにやせさらばえていた。
 銀時はよくこんなのをつれて帰ってきたもんだ。
 少し、髪が伸びている。体は拭かれていたようで、べたついた不快さはない。体中にあった内出血の後は消えかけていた。紫色になった爪も色が薄くなっている。よくはなっているんだろう。所作に気をつけていればあまり痛まない。でも強烈なだるさはぬけないものだ。
 熱があるのは雪火のせいではなく、傷ついた体を正常に働きだした白血球が治そうと活性化しているせいだそうだ。
(眠い…)
 着替えたところまでが高杉の限界で、戻った高杉はまた布団の中に入ろうと、和室へ向かおうとした。
「高杉さん、ご飯」
 メガネにせっつかれたが、首を振って答える。
「無理。眠ぃ」
 顔を洗ったばかりだと言うのに半分瞼が落ちかけたままの高杉の手を銀時がぐいっと引っ張った。
「まーまー、もうちょっと頑張れ。ほら、座って。食わせてやっから」
「いらね。…ん」
 強引にソファーに座らされた高杉の口の中に、有無をいわさず匙が突っ込まれた。
 ほんのりと温かい出汁味の卵粥だった。三つ葉の匂いがする。
 薄目を開けて非難がましく銀時を見れば、うりうり、うまいだろ? とばかりに次の分を差し出してくる。
 確かにうまいけれども、だから眠ぃんだってと突っ込まれた卵粥を嚥下しながら高杉は銀時の手をブロックしようとした。



「おいしー?」
「…だから、いら…う、」
「ちゃんと食べないと精がつかないよ〜」
「ん…っ、銀時、もうやめ、っ」
「駄目」
「よ、せ」
 新八です。
 なんでご飯を食べるだけなのに、この人たちはこんなにいかがわしいんでしょうか?
 いや、銀さんが嫁っつって連れてきた時点で相当怪しいわけですよ。でもだからって年頃の少年少女の前でこの仕打ち一体なんなんですか! 
 何で食べさせてあげてんですか。 
 高杉さんは病人で眠がってるのは分かります。薬の副作用ってもの凄くきついんですよ。一錠飲んだだけでばたばた死ぬし、半年くらいやられた神経が回復しないんだそうですよ。高杉さんほどひどいと箸の上げ下ろしも億劫だろう、今は眠いしねと思いますけど。
 そしてそんな眠りっぱなしの人にきちんとしたご飯を食べさせて身体機能の衰えを防ぐっていうのがその後の生活のためには重要で、ご飯を食べなきゃってすすめたのは勿論この僕ですけどね!
 だけど銀さん。
 あんたはただ、はいあーんってやりたいだけだろうが! 眠さMAXの高杉さんにいやいやさせて、でもやめてあげずに、無理矢理食べさせて可愛い顔してんのを堪能したいだけだろう!
 見せつけてんじゃねぇぇぇぇぇ!
 流石新婚と宣言しただけの事はあるなぁと思うわけです。









短くてすみません。が、こげな短編もどきでばらばらと進んで行く新婚編です。とくに劇的なストーリーとかはありません。単に甘々なだけだぜ! へへん!
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